呪術師の家前
[するりと賑やかな祭から抜け出していこう。
手を繋いだままにいつもの帰り道を一緒に進む。
いつも別れる場所でも別れることなくシュクルの歩調に合わせて赤毛熊の毛皮を被った骨合成獣が軒下からこちらを見ている家の前まで連れ去ってくる。
自分の家は中心からはほど遠く賑やかな声も遠くのものだ。
この時間なら誰もいないだろう場所で、扉の前で一度立ち止まると繋いだ手を中心にターンをしてシュクルと向き合った]
えと……それで、なんだけど。
話なら誰にでもしてもいいし、見せられるんだけど。
準備してるところは……。
[少しだけ言い淀む。
これを理由にしてはいけないなと小さく首を横に振るともう一方の手を取り両手を繋いだ]