だから、劇の演奏も、
劇じゃない晴れ舞台での演奏も、頑張ってね。
[そう付け加えてから、志真は自分の名前を伝えることにします。
まだこの若きギタリストと「友だち」になったと決まった訳ではありませんが、それでも名前くらいはここで交わしたくなったのです。]
私は……今のところは
シマエナガって名前で覚えてくれたら。
[ひとまず名乗った偽名で自分の本性を表してしまったこともまるで気にすることなく(※今の時代の人間に対しては、自分が妖精だと明かしても「冗談」「キャラ設定」扱いされるのが常だったかもしれませんが)。
ここで相手の名も問うてから、劇の出演側である彼女とはひとまずこの場では別れることにしたのです。]