―回想:フットマン―
[+極と−極を一本の銅線で繋ぐとどうなるのか聞いたり(けっこうこどもっぽいところがある人だ)、彼の友人の言っていたケーキ屋がフィジーおじさまから聞いた店と同じだったり(有名なお店なのかな)、食事の合間に聞く話はどれも面白かった。
そもそも普段の話し相手といえば、祖母かグリムぐらい。お店では仕事に関わるものばかりで、お友達とは頻繁に会うわけではない。
目の前の楽しそうな男が、ヌルから、祖母から多くのものを奪った人物だなんて、思いもしなかっただろう。
彼がよこしてきたデザートまでしっかり平らげ、一息つく。
こんなに食べたのは久しぶりだ。ちょっと食べ過ぎたかも。]