―― 現在:商業集落『大通り』
でも少ないってわけでも、ない。
風邪1つ拗らせば栄養の足りない幼子や老人は死ぬし、
傷を放っておけば大の大人でも腐りおちることもある。
国を守る兵士さんや王様らの怪我や体調を
ここいらの国の僻地の民らの健康を
守ってるのはイクリールら医師だってこたあ、
この国のもんなら誰だって、知ってるさ。
知らないのは、『知ろうとしてないから』。
……だろうよ。
それはそれとして、できることが少ないのは
如何せん足りないものが多すぎるってのもあるけどね。
[卸し業を営むからこそ、ようく知ってる現場の品不足。綺麗な笑みで笑いかけた君とは対照的>>256
間延びした口調でありながら、最後の方は少しだけ。俺は不格好な笑顔を返す。]