ごちそうさま。
ありがとう、おじさま。
[美味しいごはんですっかりごきげんだ。
代金を支払ってくれた彼に礼をいって、その日はそれだけ。
ヌルの中でフットマンは「機嫌のいい時は面白い人」になった。
フットマンと会ったことを、祖母に言うことはなかった。近づくなと言われていたのにまさか一緒に食事をしたなんて、怒られるどころではないかもしれない。
もし話していたら、ヌルが何かを知ることはあったのだろうか。
もしも、ヘルハウンドとの繋がりを知ったらヌルはどうするのか。
ヌル自身にもわからないことだ。いまは、まだ。]**