後始末
[トループ島及びアンダーテ特別罪人収監所の崩壊からしばらく、バレンスは多忙を極めていた。
まず、彼の収監所の生き残りということで、他に逃げ延びていた者達と共に後始末に追われることになった。
バレンスの収監については非公式であったため、記録としては残っていない。
それについても、「冤罪であった」「囚人の動きを把握するための囮」「収監所長の尽力によって……」等々、それらしい理由をつけて”なかったこと”となっている。
そうしてバレンスは警察官へと戻ることになり、責任者不在の問題を引き受けることになった。
これはバレンスにとっては都合が良かったので問題ない。(後始末自体はほとんどをウィレムに任せていた。)
収監所へ余計な目が向かないようメディア対策を行い(これは専門の部署の協力を得て行われた)、強盗傷害事件を調べ、ハリコとケンチクの事件を洗い直し再捜査へ漕ぎ付け、Oordeelとの協力体制を築く。
これらを同時に行っていため、一息つく間もなかった。いつかのデスマーチが遠足に思えるほどだ。
これらを行う中で、管轄を越えて動ける権限を得られたのは(条件付きとはいえ)最大の成果かもしれない。]