(ま、いいか)
[こうして心当たり無き自分の不可解さについても、志真はサラっと流してしまいました。
この頃にはもう、あの若きギタリストも“星月のバーバチカ”もしくは“シマ”個人のファンなのかとは、あの驚きようと支離滅裂な反応から考えてはいたのですが……。>>243]
(本当に手を伸ばすべき時に、
ちゃんと友達に手を伸ばせたらいいんだし)
[それでもアーティストとファン、音楽の先輩と後輩……のみならず、ただの「友だち」になることをも自然と望んでいました。
その理由については、不思議に思うことすらありませんでした。
ごく自然に――あの日の確約無き約束を、無自覚に想うように――志真の中でその望みはすとんと胸の内に落ちていたのです。**]