[それから、少年はスタッフの一人に願い出る。
自分がマストに撮ってもらった写真を、写真館に寄贈してもらえないか、と。>>0:386
夢の力というやつか、ずっと懐に入れてあちこちに行っていた割には、それらはぴしっと綺麗なままのようだ。]
ごめんなさい、マストさん
でも……取り上げられたり検分されるくらいなら
ここで遊園地に来た人達に見てもらうほうが
写真も幸せだと思うんです
[厚意で渡されたことを知っているからこそ謝罪する。
何事も無く持って帰れる保証があるなら、大切に保管できるなら少年だってそうしただろう。
しかし外部の出入りも厳しくAIを利用して被験者管理を行う施設で、把握されていない私物、それも自国ではないどこかの写真などどうなるのか分からなかった。]