[私が『宙色の鍵』について熱意を込めて語ると、彼女の声のトーンがやや変わる。>>245
てっきり彼女も目を輝かせてあの素晴らしい本の感想を言ってくれると信じていたのだが。
はて…?
その答えはすぐに判明した。]
え?
……私の子?
サンシア・ロメロ?
それは――>>246
[みるみると繋がるピース。唐突に始まった本の話しも、私が感想を語ろうとすると何か思うような表情を浮かべたのも。それが、本の「作者」であるなら――。
私は壊れた機械のようにぶるぶると首を振った。アンドロイドだから故障を疑われるレベルで。彼女のにこやかな笑みは清々しく、ようやく言えたという感じのリラックスを醸し出している。
そうか、ずっと言い出せなくて彼女は…。]