ー頼もしき裏方 水雪くん>>212>>213ー
[部長の熱烈な勧誘と、この学校の演劇部の舞台や小道具へのこだわりが伝わったのか、最初の頃は少々部長を鬱陶しがっていた銀髪の彼女が、小道具担当として入ってくれることになった。
最初のうちは随分と物静かというか、部長や僕の熱意と合わないでストレスを感じていたのではないかと思っていたが…存外彼女の手先の器用さと服飾やものづくりへのこだわりが、この演劇部の方針とはあっていたらしい。
彼女のマネキン代わりになりながら、コサージュへのこだわりを聞きつつ、こちらも真剣に演劇のために彼女のそれと向き合う]
今回は太陽や、真紅の愛がテーマだからな。
単純に枚数を増やすのではなく、更に薄めのレースタイプの花びらを追加してみてはどうだ?そしたら陽光っぽさも出たりして…
[と伝えたかもしれない。演劇も小道具も、お互いが協力してこそ…素晴らしいものになるのだ!今回青年は『太陽の子』として舞台に上がるつもりだが…ちょっと本質は本物の太陽の子とはちがうかも…なんて、その場に太陽の精霊たちがいたなら思われてたかもしれない彼らはきっとどこにでもいる。今年も生まれ、そしていろんなものを見ているのだろう。男はその事実を知らないけれど]