[お嬢様は、暫くして病気になられた。それは私の知識にはない難病で、死に至ることもあるのだという。なんてことだろう。私がお嬢様に時折淹れていた紅茶に、毒の成分が含まれていると仕事場の同僚から話を聞いた。私が、お嬢様を病に貶めてしまったのだ。償わねば。けれど、そんな難病を治すための治療費を捻出できない。抗わねば。けれど、想いだけで切り開くことなどできはしなかった。日に日に苦しむお嬢様をそのままになんてできるはずもなく。]