[お気楽な態度でさらに「機械化アイドルデュオ」と言われれば。]
――ふふ、そのお話し諦めてなかったんだ!
ふ、あはは、わたしもアイドル!
素敵ね、素敵だわ……!
[つい笑ってしまう。
もちろん馬鹿にしているという訳ではなく、むしろこの問は──]
ねえ、私の話、知ってるでしょ?
うっかり派閥争いに巻き込まれて死んじゃって、機械になって、でも何の縁か人の中で生きさせてもらえて。
[彼女とは違って、私はそんなこと、考えたこともなかった。不変の躰のはずなのに、今を生きるのに精一杯で。
それでも今が続いていく未来、きっと誰もが変わっていき、何もかもが変わっていく。
いつか親しい人たちが私を置いて死へと変わる。
この国すらなくなってしまうかもしれない。私もきっと、寿命という死に方が存在しない以上、幸せな死は訪れない。
願いと共に死ぬ権利はとうに奪われている。]