それで、そのリリオ・カサ・ブランカに居た私が、
何故この「鳥」を持っているか、ですが、……。
……貴方は、25年ほど前の大規模な抗争を、ご存じですか。
「夜の女王のアリア」などによって行われた、
ある、組織の、掃討作戦、を。
[「シンギュラリティ」の語を出さず――この語だけで目の色が変わる組織員だっている――慎重に言葉を選んでいく。その結果、口調はややたどたどしく、声音も力なくなっていく。]
私の機体は、その抗争中に、製作されたもの。
私のストレージには今も、かの組織の、
機工を組み立てる手段が、保存されています。
それによって私自身が作成したのが、この「鳥」です。