[でも、確かなことはある。
私はいつまでも私なのだ。私を置いて変わっていった人々も、私と共に変わらない者たちも、他のものに存在が成り代わることはない。
だからこそ、私には何となくわかる。]
不憫って言う人もいるけどね。私には、それだけで幸せだったし、それこそが幸せだった。
私の夢、なりたい私だっけ。いいよ、教えてあげる。
私はね、私でありたいよ。
今は、ページボーイと宿……この国を守りたい。出来る限り長く、それが私の夢。
だからごめんね、アイドルは……面白そうだったら考えるって事で!
[──死ぬその瞬間までいつまでも望みに生きることが、私の唯一の夢だ、と。
にっこりと笑う。
ズィーの国には入らないし、アイドルにもならない。でもその代わりに、どちらかが終わる最後の時まで、彼女の唯一不変のファンにはなってあげよう、とアリシアは心に決める。
実は全く唯一なんかではなく、既に寿命のなさそうでかつ熱狂的なファンがいるのだが、そんなことは知らずに身勝手にそう思っているのだ。*]