─午後・庭園─
[午前中はクッキーでお腹を満たし、コラーダさんと話したあとにも誰かにお裾分けすることはあったでしょうか。たくさん作ったと思うので誰でも大歓迎なのです。
そして一度目のワープを経てお昼を軽く食べ、わたしは船内を歩きます。お出かけ用の小さな鞄には必要最低限のものと絵本が入っておりました。どこかでのんびり本でも読めたら、と思ったのです。]
…あら?
[読書の場所を求めて辿り着いた先の庭園では、どうやら先客がいらっしゃるようでした。>>279 起こさないように…という気遣いに加えて、ふと心に思い浮かんだのは「あの芝生気持ちがよさそう…」という好奇心。
庭園は来たことがないわけではありません。だからかの先客ともお話をしたことがあったかなとも思います。
船の中で無いかのような美しい景色と、やわらかな芝生に心奪われながら、その先客よりももう少し離れた場所に座ろうとします。
でもそのとき、わたしの不注意で、鞄が手から離れてぽふ、と芝生に落ちました。
そんなに大きな音ではなかったので、彼を起こさずには済んだでしょうか。起こさなかったのならば、そこで暫くひとり絵本の世界に浸るでしょう。起こしてしまったら、すみません、と謝罪を述べて。 *]