「あいつらは俺達にそんなこと望んでなかったんだよ」
[吐き捨てるような言葉を始めに、少年に語られた言葉の数々。
都合の良い夢であったと切り捨てられないのは、チケットの消失だけではなくその記憶があるから。
手術で能力で、未熟な脳に掛けられた負荷、多くの首輪を日々大人が回収していくこととなる原因の殆どを占めるもの。
それは発展した無人兵器のテクノロジーにPSI兵で打ち勝つための不可抗力、仕方のない犠牲の筈であった。
──それが、ある期間からは意図的に過重させられていただなどと。
死に際の子供の前で『やはり第一世代は使い物にならない』と吐き捨てた研究員がいただなどと。
不適合な数値ばかり出す自分達は兵士になる予定などなく、データを収集する為に生かされていただなどと。]