[知らない世界の話を紡ぐ彼を、私はじっと見つめる。>>191食堂のざわめきは、既にはるか遠く。言葉の他にあるのは、洗浄の為の水音と、器具同士が触れ合う音だけ。恋に落ちる。それは、今まで過ごしてきた人生をがらりと変えてしまうような、強い出会い。自分が自分でなくなる瞬間、優先順位の組代わりに抗えず、世界の中心が他者になってしまう出来事。それってなんだか、凄く恐ろしい。知らないからこそ、恐ろしく思うからこそ、私は知りたいのだ。]