――素敵な話、羨ましい
[素直にそう思った。
何故だろう、元同級生達の恋の話より、心の奥に染み込んで来るのは。]
素敵だけど、
ふふ、やっぱり難しいですね
[困ったように小さく笑い、カウンター席に座ったまま、子供みたいに足をぶらつかせる。
とっても難しい話。
だからこそこの項目は、科学知識やその単語類でぎゅうぎゅうに埋め尽くされているのかもしれないと、そう思った。
皆、私みたいに不安なんだ。
彼の指先につられ、私は自分の胸元に目をやる。>>195>>196
きっとまだ空っぽな其処を、見下ろして。]
理屈じゃあ、ない、
それだけでは、説明できない、物
[呟き、視線を上げる。]