[使用したのは、カスタム済みのデザートイーグル。
女子供が扱えば反動で肩が外れるような銃であったが、生身の腕ではない自分にとって、それは大した問題ではない。
そのまま、仲間の脱落に慌てるチンピラ団体の懐に突っ込み、近接戦闘、白兵戦へ持ち込む事数分。
複数種の派手な銃声、空へ向かって吸い込まれて行く銃弾が幾つかと、近距離故に発生する仲間同士での誤射。
時に逃走、時に追い付き、徐々に相手の数を減らした末、最後に残った体格の良い者との揉み合いの末、
相手の腕を胸倉を掴むと思いっきり背負い投げた。]
『ド、ゴォッ!』
[勢いのまま、スラムの薄く脆いコンクリートの壁をぶち抜き、二人転がり込んだのは恐らく少年の目の前。>>237]
――おっと、これは、これは
[ノックアウトさせた相手を一瞥しつつ、砂煙の中で笑みと共にユラリ立ち上がったのは、彼にとって因縁深き赤い男であっただろう。**]