その、今更ですが……ううん、今更だけれど、あたしはハリコ・モーガンズ。かんし……いえ、あなたのお名前、聞いてもいい?[もう相手には既に伝わっている筈の名で自己紹介をしながら、他の看守には尋ねることができずにいた相手の名を問う。 この二人に、もはや看守と囚人という立場に基づいた格差は無い。それを示すように、ハリコは口調を少し砕けたものに変えて。 図書室の静寂を妨げない程度に、幾らか他愛ない話を交わす>>145ことはできただろう。**]