――つまり翌朝の自室――
[指輪を抱え込んで布団の中で息を詰めていたら。
コンコン、と(恐らくドアを)ノックする音がする。]
はやっ、はやい!
[もしかして瞬間移動能力者だったりする!?
声をかけたはいいが、迎える準備は何もできていない。
ドアは透ける素材ではなかったから、ボサボサ頭にワンピース型の寝間着も片方の肩からずり落ちた状態で、無意味に布団の上でジタバタする。
こういう時ってすぐさま的確な動作が出てこない。]
ま、待って待って、少し待って!
[間違いなくピギーの声だ。>>280
慌てて着替えようとワンピースの裾に手をかけ持ち上げかけたところで、あれ、と違和感に気づく――ドアの方向と違うような?
おそるおそる視線を動かす。
床に伸びるのは、窓から差し込む爽やかな朝陽。
そこに、あり得るはずのない動物耳つきの影が……。]