[とはいえその後に打ち明けたことまでもが「善良で愛らしい」>>262悩みとまで言われてしまえば、流石にすぐには不謹慎に頷けなかった。それどころかキラキラ輝く瞳の前で、きょとりと左眼を瞬かす始末。
それでもその賞賛の所以を聞けば、もっともだと思えてしまったのだ。]
……確かに、それはそうよ。
人間の心はそういう風にできてる。それは頭では解ってる。
解ってるけれど……。
[その嫌悪こそが善良すぎる証――まるで先程自分が彼に言ったこと>>216を、そのまま返されているよう。
それにも関わらず、先程の“他者を援助する”“成金趣味”のようは上手く頷けなかったのは、他者でなく自分のことだった故か……]