……アーネストさん。 私は。 ……私、は。[大きく両手を広げて彼女は待っていてくれていた。私を受け入れようと、受け入れたいと。あの時にはすれ違った想いが今、一つに重なる……。見れば、彼女の顔は恥らいに染まり真っ赤ではないか。きっと勇気をふり絞り、こうしてくれているのだ。人は畏れる。相手に拒まれることを。何よりもそれは恐ろしい。でも、手を延ばさねば何も掴めないのだ。勇気を持って踏み出さなくては。私は両腕を延ばし、彼女の背中を包み込む。柔らかで温かな人肌に触れる。]