新たな門出に
[それは、ハリコとのファッション教室開講後の話……。
>>267 少し緊張した面持ちで自分の服装を見直しつつ。
デッキの外側で潮風を受けていれば、誰かが近づいてくるのに気付く。
>>109 カジュアルながらも豪華なクルーズによく似合う上下の装いに、端正な顔立ちの男性。
烏羽色の髪は、白いメッシュと相まってその表情を更に際立たせていた。
見た目からは、一瞬誰なのか分からずに見つめてしまったかも知れないが、次の瞬間ハッとする。
こちらを見つけて浮かべるあの優しい表情が、瞳が。
どんなに顔を変えたとしても、間違える筈ない。
私を慈しむ、愛しく想ってくれる顔。]