回想:コウセツ
そんなことは……、
[読書と紅茶のお供に、と『暁亭』へと立ち寄ったある日の昼下がり。
餅の香ばしさと穏やかな甘さが混ざりあった香りに包まれる中で何時もの焼餅を注文しながら、店主から掛けられる言葉に小さく首を振った。>>257]
此処に来て、皆さんの優しさや元気に触れて
毎日がとても、充実しています。
[溢れかえったものの中では味わえなかった この幸せを上手く表せているだろうか。
知らない場所で緊張していた中で貰った、あの優しい飴の味が。
目の前の彼が声を掛けてくれた、良い所紹介の村巡りが。
全部、———全部、外の人である私を村の皆さんが暖かく迎えてくださったからこそ。]