……流石、素敵な格好なのよ、お義父さん。
きっと、よっぽど目がいい人か、私くらいじゃないと気付けないのよ。
[笑みを零して、素直に彼の転身と佇まいとを褒めれば、次は私の番。
彼の烏羽色の髪色に合わせた、黒を基調としたフレアワンピース。
肩から胸元に掛けてピンクの差し色が入ったそれは、ハリコがピックアップしてくれたものだ。>>268
リボンにも合うようにあつらえられたその衣装は、上品で可愛らしいイメージを抱かせるだろうか。
義父が私の姿に見惚れるようにと一回転して見せれば、得意そうな顔を見せる。]
どう? これでお義父さんも私の事をレディ扱いせざるを得ないのよ!
[指をびしぃ、と突き付ける。
それが淑女らしい行為なのかは議論の余地があるとして。
ただ、得意気に言ったものの少しだけ不安になってくれば、指をもじもじと交差させながら義父の言葉を待っただろう。]