[そして着実に、確実に迫りくる終わりの時に、僕は何とも言えない気持ちになる。
今この場に居る彼女は、容姿こそ若いけれど現実ではお婆さんで。
大往生なのだろう、と頭では分かっていてもこれが最期かも知れないと考えると、若くして死に近い"彼女"と被る錯覚を覚えてしまう。
だからこそ──。]
ローズさんは、遊園地を楽しめましたか?
……いや、僕の用事に付き合わせてしまった形になってしまったので。
こう、やり残した事とかあれば僕の出来る範囲でお手伝い出来たらなと思っただけで、その。
[なんて事のない、世間話の様な言葉から始めて、その意図を零す。
未練はないだろうか、心残りはないだろうか。そんなささやかな心配。
……僕の治験に関してだと、少し困っちゃうなと過ぎりつつ。**]