[とはいえ大学での出会いについて、白薔薇が元の持ち主の心を通じて知ったことは決して多くはありません。
その人の心の内はそれよりも、白いバラの状態を気に掛けることでいっぱいでしたから。この辺りの話は後程。
だから、新聞や雑誌を捲って垣間見た程度のことにはなってしまいますが……。
その人の新たな友人や「先輩たち」の姿や声は、明るく楽しい記憶に紐づけられていました。新たに出会ったその若者たちのことを、確かに「助け合える仲間」として認識していたようです。
その「助け合い」が後に実際にどういう形で計画されたかは、この時も今も、白薔薇の知るところではありませんでしたが……。>>279>>280>>281]