現軸・王様とは違う場所で
[右へ左へ走り、隣で
きょうだいが死んでも、知らぬ顔で足を止めない彼らの眼前に降り立った少女
>>262は、さながら金髪翠眼の天使に彼らには見えたのではないだろうか。
おはようございます、と言った彼女に、彼らは僅かに目を見開いた。
その格好の不格好さ?──そんなものを彼らは不気味に思う心は持ち合わせていなかった。
自分たちの王様の気変わりの方がよっぽど恐ろしい。彼らは困惑したように少女を見ていた。
『夜雀亭』の看板娘がこんなところに立っていて、あまつさえ自分たちに用事があるなんて!]