おのぼりさん、みたいでしたか
こんなに広い場所に来るのは久しぶりで……
実際にそうなんだと思います
[先程言われた内容に触れ、少年は恥ずかしそうに自分の顔を隠す。
久方振りの屋外に対する困惑で精一杯で、他人からどう見えるのかなんて意識出来ていなかった。
文字通り夢のような話、兄にチケットを渡されるまで叶うだなどと思っていなかったばかりに、自分の場違いさを今になって突きつけられる。]
恥ずかしいです
マストさんみたいに落ち着けたら良かったな
[男性もまた初めてだと言っていたのに、こうやって子供に話し掛ける余裕まである。
年の差を持ち出されたらそこまでの話も、相手に話し掛けられたお陰でどこか安堵した少年にとっては素直な敬意の言葉となった。]