ー …小島の小屋… >>285>>286>>287ー
[…そのとき小屋にはちょうど、誰もいなかったようだ。
生活感のない空間。備蓄された非常食の数々の中で
いくつかが開けられて食べられたあとがある。
…なぜか、どこもかしこもかすかに血の臭いがただよう
なんてことはない小さな隠れ家に、妙な雰囲気がただよっている。
ニュース番組は、逃げていく囮の船を追い続けていた。
誰もいない、かと思われたが、奥からキシリと音がして…
どうやら扉があったらしい。そこから男が洗ったばかりの手を拭きながら、その男は現れた]