ところで
[他の囚人たちについて、例えばルミが看守同士の話を盗み聞きしてハリコの情報を得ていた
>>148ように、ハリコもまた情報収集に動き出すようになっていた……心算ではあった。
それでも自由時間以外は隔離された生活である故に、共同室の囚人たちに比べれば情報収集や共有の機会は多くない。裏社会との縁のなかったデザイナーには諜報の手腕もない。かといって「暴漢の囚人から逃れたい」自分が何故か今更共同室行きを求めるのも不自然に思えて(カネを握らせれば実行自体は可能だっただろうが)。
こうした事情から、ハリコに知れるこの監獄内の情報は、至って限られていた。
(こちらから動かずとも否応なく耳に届いてしまった話、というのもありはしたのだが……)
そんなハリコの元には、“ルミ・ビリヴァー”という無差別連続殺人鬼が収監されているという情報は届いていなかった。少なくとも、ルミ当人とのあの突然の出会い
>>149>>294より前には。]