[さてそのエナガから、ラピスからの言葉に対してすぐさまに「ほんとうにそのとおりよ!」という一言が飛んでこなかったのは、単に“犯人”の連行を急いでいたからのようでもあり――。
「友達」どうしの言葉に割り込まないだけの、長く生き過ぎた大人の姿勢故でもあったのだろう。
或いは……]
「――――…。
あたしの“なくしたもの”にも、いつか、会えるのかしら」
[そんなひとりごとは風を切る翼の音に紛れて、捕まえたヘロンの耳にすら届きはしなかった。
こうして、光り輝く門を宙で潜り抜けていく形で、
草原の果てまで目指すがごとく、翔けていった先には――**]