[彼>>292があの抗争について、少なくとも知識はきちんと得ていることが、その頷きから読み取れる。
けれど己の機体の由来について述べてから口にした「化け物」の語については――判断保留>>293。予測外の回答に、伏しがちに固定していた人工の瞼を、ぱちりと見開く形に変える。
更なる問いには――直接の理由がまず思考上には生成されるが、いきなりその結論を話しても意味が通らない可能性があったため、また言葉を選びながらゆっくりと話し始めた。]
まず初めに、お話ししますと。
私は、望んで、この機体を得ようと
考えていた訳では、ありません。
私は、知らぬ間に、電脳化されていました。
かの、組織に、拉致されたのです。
[向こうの警戒が幾らか解けているような印象は、尋ねる言葉の形や声音から想起できる。
けれども銃から手を離している訳では無い。それもあって、組織についての語は未だ濁したままに。]
だから、私は、かの組織の一員ではありません。
この身体を今も使いながら言っていても、
説得力なんて、無いかもしれませんが。