― 気づくことのないシルエット ―
[視られることには慣れていた。
どちらかというマイナスな意味合いで。
密やかに、時にあからさまに。
視線だけでなく、
妥当と思える叱責から、不当に感じる文句まで。
世界には色々な表現のグラデーションがある。
だから、少しばかりの非難を含む程度の眼差しに、>>148>>149
青年が気づく描写がなかったとしても勘弁してほしい。
そのどちらかというと負の天秤に寄った視線が
小柄なツインテールの三年生だと知る機会があれば
ケンだって驚いただろう。
彼は彼女を知っていたから。]