―夕日の影と―
『忘れた?
――ハッ、 そんなバカな話が、あるか』
[感情を忘れたという相手を鼻で笑う。>>291>>292
これが俺を殺した男か、面白みのない言葉に少し落胆して。
なら、何もなかったと答えるのも納得がいく。感情の"底"に穴が開いていれば、たまる物すらたまりはしない。]
『戯言、を』
[ああけれど、今、俺がお前をぶん殴ったら、お前は感情を見せるかな。
――そんなことを思ったりしたが、その澄まし顔が変わる想像がつかなかったから、拳を握るのはやめにした。]
『……お前、横暴な上官の一人でも
撃ち殺してきたらどうだ』
[それはいつかの自分みたいに。>>1:172>>1:173
つまらない男にそう言って。
でもどうせそんな物、考えた事ないんだろう?]