― そうして、わたしは、船の上 ―
[消毒をして、ガーゼを当てて、包帯を巻いて。
そうして手当てが済んだら着替えましょう。いつまでも血塗れの服なんて、とっても嫌だわ。
クローゼットを開け、幾つか服を身繕う。
白いブラウスに袖を通す。
膝上丈の黒いスカートの下には痛々しい程の傷と手当の痕が覗いていた物だから、黒のストッキングで覆い隠して。
首元にはリンゴみたいな真っ赤なリボンを。
長めのケープを身に纏い、ピカピカの黒い靴を履くと、傷だらけの手を覆い隠すよう手袋をはめる。
まるで、これからパーティーに行くみたい。
着替えた私は鏡の前でくるり回って、そうして満足げに微笑んだ。]