……シッテ、います。
ぼくハ、そのおとぎばなしを知っていマス
なぜ、でしョウ?
ナニカ、大切な…大切ナ…コト、
だったきがシマス
…ずっと、コウスルことを望んでイタ
そんな気がシマス
[空を飛ぶ、マウスと手をつないで、
まるで右から二番目の星を目指すように。
笑顔のマウスの様子に、ずっとずっと前から
こんなふうに空を飛んで、誰かに笑顔になってもらいたかったような、そんな気持ちが何故か湧いたのです。
手を伸ばします。今にも手が届きそうな星の煌めきに。
マウスと繋いでいた方とは逆の方、風船を持っていた方の手が開かれて、ふわりと、風船が飛んでいきました。自由になった風船を見て、それはとてもいいことのように思えました。……自分にかかっていた魔法が、マウスの方に一気に集まるということには気づかず]