――いつかの食堂エリア・レットと――[珈琲を淹れる古めかしい道具を珍しがる人は少なくない。しかし彼女みたいに、まるで手品でも眺めるように興味津々に見て貰えると此方も嬉しいものだ。素直に未知へ手を延ばす姿は、後に恋について質問する姿勢にも共通している。要するに、彼女はとても自分に素直で探求心に満ちている、という事。>>281もし私が魔法使いであるのなら、彼女に魔法を掛けたかもしれない。恋を知ることが出来るおまじないを。]