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[とある小さな街で、自殺及び死亡事故が相次ぐ。
他殺の線が薄いと言う事から、どの事故も深い捜査が入って居なかった物の、日を置かず連続して死体が上がるのは奇妙だと何者かが声を上げ、ようやく警察が重い腰を上げた。
被害者の共通点は2つ。
全員が女性である事。
それと皆、とある女と何かしらの関係を持って居たと言う事。
軽い顔見知りから始まり、女の勤め先である飲食店の常連であったり、バーで知り合った者や、女が通っていた教会のシスターと様々で、アパートの部屋が隣同士、近所である者も居た。
その者らが全員、数か月の間に死亡したのだ。
奇妙だと警察が気づいた時には既に遅く、女のアパートに踏み込んだ際には既にもぬけの殻。部屋を借りていた名義を辿れど、戸籍が出て来る事は終ぞ無かった。
黒髪の若い女だったという証言のみがそこにあり、交友関係が広いにもかかわらず、写真は1枚も存在しない。]