食堂、バレンスと
[その日は、畑荒らし事件が起き(私の仕業ではない)、看守の血眼☆捜査が発生した為、食料奪取作戦は立案次点から頓挫していた。
こう言う日もある、と自分を納得させながら食堂へと向かえば、迎えてくれたのはいつものオートミール……ではなく、囚人が普段取るような質素ながらも、きちんとした料理だった。
>>255 そして、その食事を持ってきたのは、バレンスと名乗る人物で、そこでまず驚いた。
噂で聞いた通り、その大きな体躯は確かに囚人看守問わず叩き伏せる事が出来そうで。
ただ、立ち居振る舞いは乱暴な者が持つそれではなく、むしろその所作はたおやかと言う表現が似合うような。静謐な印象を持つ人物だった。]