── 正門にて、誘い>>296 ──
[思っていたよりもずっと理知的な子だなというのが第一印象。
でも、僕が手に持っているカメラに興味を惹かれている様子は年相応に見えて、頬が綻ぶ。
イノリと名乗った子は顔立ちも中性的な事もあって、性別の判断に内心首を捻っていたが、恐らく一人称から少年だと推測して言葉に応じる。]
イノリくんだね。初めまして。
……施設か。それじゃあ、送り出して貰ったのかな。
[首輪を着けられる施設に心当たりは流石にないので、少し怪訝そうな顔になってしまった。
でも詳しい事を聞くのもまた気が引ける。
僕は藪をつついて蛇を出す事を好まないのだ。 ]