― 回想/1年前・春・四月/美術室 ―
[朗らかな美術部の日常が画面に切り取られる。>>249
結月がキャンバスに向き合うシーン>>125と
美濃がその背を見守る姿が交互に映し出されることで
少女の異質さが上手く描かれていた。>>250]
……え?
[身を折るような息苦しさ>>128と息の止まる緊張感>>129、
それを一瞬で払しょくしたのが先輩である美濃>>251の声だった。
実際に息を止めていたのだろう。
数拍遅れて反応した結月の唇から吐息混じりの声が聞こえる。]
美濃先輩……?
[彼女を見上げた結月は最初困惑を表情に乗せた。
瞳がきょろきょろと周囲を確認するように動く。
状況を確認すると少女の眉尻が下がった。
結月は笑う。その表情は後に見せるもの>>135より弱々しい。]