回想、孤高の背中に願う
[それは輸送船へと向かっている時の話。
船の前で仁王立ちしていたのは、見覚えのある外骨格で武装した異形の青年だった。
>>120 私は見知った人物に思わず声を上げる。]
──ガァドなのよっ!?
[彼は、船の前に立ちはだかり殿を勝って出ていたようで、彼の周りには、気絶させられた看守が沢山いただろうか。
もしかしたら戦いの果てに傷だらけだったかもしれない。そんな彼にきっと、あの時よりも幾分か明るくなった瞳
>>0:359で、通り抜けざまに言葉を交わす。]
お互い生きててよかったのよっ!
──死んじゃダメなのよ、絶対に!
[それは、駆け抜けながらの刹那の言葉。
今だけでなく、これからも、と願った言葉。
紡いだ言葉が彼に届いたかは分からないけど。
私は貰った温かさを覚えている。あなたを心配してる。どうかご無事で。
輸送船に飛び乗る直前に振り返れば、一人立つ孤高のヒーローの背中に、私は小さく無事を祈ったのだった。*]