[あのこ、と指さされた先には見知った顔がある。頭部の損傷は、落下か殺害か、俺にはちと解らねェ。アンドロイドや電脳化のやつらなら、死因の分析などお手の物なのだろうか
形だけでも手を合わせ、しゃがみこんでそいつの持ち物を探る。個人情報を特定するようなものや金目のもの…と言っても雀の涙だが、はきちんとポケットに入ったままのようで、たとえ他殺であっても、少なくとも物取りや戸籍剥奪などの目的のためなどではないらしい。
当然俺らの同志だ、そいつは生身の人間で、脳から摂れるものも無いだろう。
とりあえず情報になりそうなものは、預かっていくか。と身分証やら金目の物やらを自身のポケットに捻じ込んだ。ネコババはしない…多分。]
‥‥連れて来てくれてありがとな、……ん?
[そう葬儀屋にお礼を言った時、漁っていたポケットから何かが落ちる]