[それは何の変哲もない(本当に何の変哲もない…と思う)ガラス玉だった。ビー玉、という概念があるのなら、そう表現したほうが早いだろうか。どこか藍色みを帯びていて、綺麗で。]
……葬儀屋。
これ、アンタにやるよ
[この男が何を思ってガラス玉を拾ったのかはわからないし、それが思い入れのあるものだったのか、単なる拾得品だったのかもわからないけれど。
形見?と言えるようなそれを、何故か葬儀屋に持っていて欲しいと思ったのは、酔狂な気紛れ。
葬儀屋の瞳が、どこか藍色のガラス玉によく似ていたからかもしれない]
……ありがとな
[俺はもう一度だけ礼を言った。**]