そうは言っても…、多分これの処分は、
俺の判断で決められる話じゃなさそうだし。
………まぁ、悪いようにはしないって。
[念を押すように、捨てろと言われた指輪と彼女を見比べながら、俺は明言を避けた。彼女はもう引き取る気がないことがわかった、が。]
…丁重にもてなすように言われているけれど、
ある程度の不自由があることも説明を受けているはずだろ?
[ 彼女が不満そうな表情を浮かべたままなら、頭を軽く撫でようか。
…先ほどから、ついついじーさんをあやす時の言動が出てしまっているが、これから一月という短い間ながら、彼女の機嫌を取る方法とやらも 模索しないといけないなぁ、と密かに思う。
面倒くせぇーって言葉が胸の内で主張が激しいが、不思議となんだか楽しく気持も湧いてきている。これもいわゆる好奇心、なのだろうか*]