[ともあれ、ざっくり裂けたポンチョの肩から覗く二の腕の損傷がきっかけとなり、ズィーに「オクリビのツバの付け方」を教えることとなった>>264>>265。
……ところでこの時オクリビは、「『Z』の読みを教えてもらった」>>0:189という程度にはズィーが文字を読めないと認識できていた筈なのに、紙に文字を載せた説明書を手渡そうとしていた。
勿論、記載された文章にはそれなりに難しい表現もあったため、逐一口頭で説明する心算ではいたのだが――。
こうした辺りに、それなりにでも教育の機会を得られる「表側の人間」だった「レイ」の、無自覚の驕りが表れていた。
ともあれ修理キットの使い方について、口頭でひとつひとつ解説したり、時には実演を交えたり(丁度、落ち着いて二の腕の傷を繕う機会ともなった)。
ズィーが返す頷きに彼女の真剣な理解を思いながら、必要なレクチャーを一通り終えた。]