[結局この時できたのは、互いの無事の確認と(オクリビは無事ではなかったが)「応急手当」の件のみ。
その後は、停戦後の状況確認や「幽霊」の調査、ヴァルハラ側の方面の様子見のこともあって、すぐにその場を離れてしまったが――。
この場で「女王」の望みを問うことこそできなかったが、この時点でもう、オクリビはある程度「夢への道筋」>>233を定めていた。
この戦いが終わったら……なんて無保証な言葉は口にしない。しないが、「自分が立つべきステージ」の絵図なら既に思考の内>>325にあった。
あとは再び「穴掘り帝国予定地」に戻った際に、彼女自身が何を語るのか>>266に、きちんと耳を傾けることだけだ。]
( あの子、一体何触ってきたのかしら? )
[遠くまで脚を運んでから今一度思い返す「血濡れの赤い両手」。
修理キットの使い方を教えていた際も、ズィーの手の動きには特に不調は見られなかったようにオクリビは認識していた。それ故に残る謎だったが――。
その真相も、再び顔を合わせた時に聞けるだろうか。**]