[少女は目の前の先輩へ丁寧に頭を下げた後、その場を離れる。誰もいない廊下を小さな背中がゆったりとした足取りで進んでいく。少女が振り返ることは一度だって、ない。 ・ ・ ・――それから場面が変わって、郊外の一軒家が映る。明るい色のカーテンと似た色をしたベッド。あちこちに画材の置かれた雑多な部屋にある勉強机の上、カメラが捉えたのは「コンクール」と「佳作」の文字が並ぶ紙だった。]